審査レポート - テーブルマーク

テーブルマークからのミッション

めん・米・パンの”真の旨さ”に日本中が目覚めるテーブルマークによる「主食の地位向上計画」を始動せよ!

今回の審査ではふたつの点に注目した。ひとつは、「めん・米・パンの真の旨さ」と「主食の地位向上」について自分たちなりの解釈と広い視野、問題意識を持って取り組んでいるかという点、そしてもうひとつは、テーブルマークらしさをどのようにして企画に盛り込んでいるかという点だ。

賢明学院高等学校「 DEBLU MARK」チーム。
テーブルマーク賞に輝いたのは賢明学院高等学校の「DEBLU MARK」チーム。
「主食の地位がなぜ下がっているのか」という問題点に切り込むための入り口として、広い視野から食料自給率の問題を取り上げた。よく使われているデータが「カロリーベース」の食料自給率で39%と低く見積もられているが、彼女たちは「生産額ベース」の食料自給率では68%もある事実を掲げ、食の地位を下げている「食品廃棄」の問題を指摘した。そして、食品廃棄問題のなかでも最もクリティカルな食品が消費者の手元に辿り着くまでに3分の1しか残らず、年間400万トンもの食品が捨てられている現状についても問題提起した。まだ食べられるにも関わらず廃棄されてしまっている食品を回収し、テーブルマークのもつ技術である「フリーズドライ製法」を活用するのが「DEBLU MARK」チームの「フリジュレ缶」。フリーズドライで長持ちする商品をつくることで廃棄される食品を減らし、誰でも簡単に手に取ることができる販路として自動販売機を使い、食品廃棄を低減するスパイラルをつくる、商品も含めた大きな枠組みとして考え抜かれていた点が評価された。
調査力と批判的思考に基づいた問題提起、サービスの全体から細部までが考えぬかれた企画内容、ハキハキとした元気でわかりやすい発表など、「DEBLU MARK」チームはさまざまな要素をうまく融合した総合的なクオリティーの高さが受賞の決め手となった。

早稲田大学高等学院中等部 「Table Quest」チーム。
早稲田大学高等学院中等部の「Table Quest」チームは「真の旨さ」を「栄養があること」と考えた。彼らはサプリメントで栄養をとりがちな現代人が、食事の中でバランスのとれた栄養をとることができるようにと、「超濃縮ふりかけ」を提案した。食事を楽しみながら自然に栄養をとる、というコンセプトのもと細部まで考え抜き、明日にでも実現できる商品企画に仕上げていた。

埼玉県立八潮南高等学校 「KimaraS」チーム。
会場の隅々まで行き渡る、透き通った声で発表してくれたのが、八潮南高等学校の「KimaraS」チーム。「真の旨さ」を「母の味」と「五感」と定義した「KimaraS」チームは、五感と家庭の味を再現する店を実現するために、「キッチン」、「健康相談」、「食品冷凍器」様々な要素が織り込まれている飲食店を考えた。細かい店舗の内容が考えられており、そのハキハキとした発表の仕方と相まって見応えのある発表であった。

山村国際高等学校「チーム美食」。
「チーム美食」は「主食の真の旨さ」を探求するために実際に主食を使った料理をした経験から企画を形作っていた。「味」ではなく「作る楽しさ」に注目した「チーム美食」はレシピ共有サイトとして最も有名なクックパッドとコラボレーションしテーブルマークの製品を使ったレシピをシェアし、その中でも人気の高かったものを冷凍食品化するという企画を提案した。あらゆる人にテーブルマークのことを知ってもらうための戦略としてありそうでなかった企画であった。

クラーク記念国際高等学校 横浜青葉キャンパス 「TM Girls」チーム。
さまざまな方法を使って表現力豊かに発表していたのは、「TM Girls」チームの「朝から始めるhappy life計画」であった。土曜日の朝に地域の学校に家族で集合し、ラジオ体操の後にテーブルマーク製品をつかった朝食をつくってみんなで食べる、イベント企画である。彼女たちは絵本や映像、劇など豊富な表現方法を駆使し企画を発表していた。一歩一歩朝食欠食問題に取り組むための社会ムーブメントを起こしたいという熱い思いの伝わる発表であった。

共栄学園高等学校「共栄リトルグリーンメン」チーム。
「共栄リトルグリーンメン」チームは「真の旨さ」を「笑顔」であると捉え、年齢層によって笑顔になる味は違うと考えた。四つの年齢層にターゲットを絞り、主食にかけるだけのソースというシンプルなアイディアであった。朝食の欠食問題を取り上げ、簡単に調理できるようにソースをかけるだけで栄養豊かな主食を摂ることができる便利アイテムを提案してくれた。

下北沢成徳高等学校「Saramika☆TM」チーム。
会場を巻き込む素晴らしい発表方法で、筋の通ったまっすぐな企画を発表してくれたのは下北沢成徳高等学校「Saramika☆TM」チームであった。テーブルマークの隠れた売れ筋商品、「冷凍パン」を提供するための自販機をつくる、というシンプルな案を、パンを中心とした豆知識のクイズや、寸劇も交えた発表で聴衆を沸かせた。

渋谷教育学園渋谷中学校「O2」チーム。
「真の旨さ」を「環境」と「文化」と定義した「O2」チームは、朝食欠食問題に注目し、朝食1食分を冷凍セットにして売る、「朝カツ」セットを提案した。近年朝食がファストフード店で提供されるようになった背景から朝食への注目が高まっている現状を指摘し、簡単に調理してすぐ食べることのできる冷凍食品と既存商品の組み合わせから新しい商品を考えるというアイディアが光る企画であった。

8つのチーム全ての発表の質が高く、それぞれに独自の視点があり、ストーリーがある提案が多く見られた。今回、「主食の真の旨さに目覚める」そして「主食の地位向上」を目指すという「テーブルマークも現実に抱えているミッション」であり、それに対して高校生たちがさまざまな企画を練り上げていた。単純な商品開発のみにとどまるのではなく、「食」にまつわるさまざまな問題を解決するという視点に立った提案ばかりで、中高生たちの「食」から日本を変えていこうというパッションを感じることができたファーストステージであった。

「企業プレゼンテーション」部門 ファーストステージ審査委員
山崎 智仁

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主催:クエストカップ実行委員会 / 教育と探求社

協賛:クレディセゾン / スカパーJSAT / ソフトバンクグループ / 大和ハウス工業 / テーブルマーク / 日本コカ・コーラ

協力:一橋大学イノベーション研究センター / 法政大学キャリアデザイン学部

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