審査レポート - 大和ハウス

大和ハウスからのミッション

世界の“夢”に挑む
大和ハウスのモーレツ新商品を開発せよ!

ミッションにある「世界の“夢”って何?」を深く探求した結果、発表チームそれぞれが、全く切り口の違うユニークな提案となった。

今年、見事に大和ハウス賞に輝いたのは、長野県上田千曲高等学校「安全地帯」チーム。作品タイトル「∞(インフィニティー)view」。世界の“夢”を「心と時間に余裕を持つことで、自分や周りの人を幸せにすること」と定義。貧困、環境、食糧などメディアを通じて知ったつもりになりがちな「自分たちから遠い問題」ではなく、「正に今を生きている自分たちが感じていること」に焦点を当てた探求力の深さが際立っていた。「心と時間に余裕を持つ」ための解決策として「∞ view」という脳内情報を読み取り、再現できる商品システムの活用を提案。既に十数年前から研究されている技術で実現可能性も高い提案だ。しかし、プレゼンテーションの途中で「この事業をなぜ大和ハウスがやらなければならないのか?」という疑問が審査委員の頭によぎる。それに対して、一般市民へのインタビュー調査結果を持ち出し「大和ハウスは建築以外の事業は知られていない」ことを突き付け、また、創業者石橋信夫の「今一歩踏み込め」という言葉を引用して審査委員たちの感情的な面に強く訴えかけた。「今こそ挑戦すべき」であると。探求の深さ、提案の力強さ、そして「やりきった感じ」が最後にあふれ 出たチームの一体感により強く心に響く提案に仕上がり、見事、大和ハウス賞受賞となった。

トップバッターは百合学院高等学校「大和ガールズ」チーム。作品タイトル「世界に広がれ!!Dream大作戦」。世界の“夢”を「世界中の人々が文化の違い、考え方の違いを理解し合うことで未来の平和がイメージできること」と定義した。その未来の平和がイメージ・体験できるテーマパーク「大和ランド」を提案。この「大和ランド」の提案を聞いていると、学校で彼女たちが集まって考えている時、きっとアイディアやイメージが次から次へ沸いてきて止まらなかったのではないかと想像させるほど具体的かつ詳細な部分まで詰められていた。彼女たちの「大和ランド」に対するこだわりの強さが、スタートしたばかりのその場の緊張感を破り、ファーストステージの会場が一気に熱くなった。

続いて登場したのはクラーク記念国際高等学校豊田キャンパス「チームダイワマン」。作品タイトル「Project DAIWAMAN」。大和ハウスが現在展開している事業多角化をより具体的に発展させる提案であった。住と食の関係に着目した上で、主食である米の問題についても綿密に調査し、審査委員をはじめ会場にいる聴衆にわかりやすく伝えていた。「アグリキューブ」という大和ハウスのコンテナ型の野菜工場で作った米をダイワマンブランドとして格付け、付加価値をつけて流通させていくという一貫性のある提案であった。その提案の論理性、説得力に審査委員一同、大きくうなずきながら見入っていた。

三番目は名城大学附属高等学校「お茶んteens」チーム。作品タイトル「ワールドパクパク募金」。なんともポップな作品タイトルだ。しかし、ポップな印象とは裏腹に、緻密な調査力がこのチームの特徴である。食糧廃棄量、餓死者数、募金率などことごとく数字で語られる。また、大和ハウスが行っている「エンドレスハート募金」に注目するなど目の付け所が細かくて深い。「ワールドパクパク募金」という一つの募金システムによって、先進国が抱える食糧廃棄の問題と発展途上国が抱える貧困、食糧不足の問題を同時に解決することができるという点が価値ある提案である。プレゼンテーションは何度も練習を重ねてきた足跡を感じさせるものであり、審査委員一同、深く共感していた。

続いては東京都立清瀬高等学校「ハウルの動く城」チーム。作品タイトル「未知の空気清浄器」。ミッションにある世界の“夢”を「健康であること」→「健康であるには空気に着目」→「世界を一つの家ととらえる」→「世界という家の中にある空気清浄器」という探求の足跡と着想のユニークさがよくわかる提案であった。Movishと名付けられた魚の形をした空を気持ちよく泳ぐ空気清浄器。イメージが沸くようにモデルを作って持ち込んだ。発表を聞いた審査員一同は、空気清浄という身体への健康だけでなく、Movishの存在自体が世界の人々の健康を願うシンボルとして、心の健康にも寄与するものだと感じた。

6番目に登場した明治大学付属明治高等学校「戦艦大和」チーム。作品タイトル「P-PANEL」。“光合成するパネル=P-PANEL”。大和ハウスの強みである建築事業を基軸にバイオ技術を組み合わせ、地球の温暖化問題を解決するという、実現イメージがありありと思い描ける提案だ。P-PANELを使い、人々の生活に不可欠な「家」を建てる。その行為自体が木を植えているのと同じという発想の転換に審査委員たちも「なるほど」と深くうなずく。落ち着いた雰囲気で、論理的で一本筋の通ったプレゼンテーションは、アイディアも素晴らしく「極めてクオリティの高い」作品に仕上がっていた。

7校目は滝川第二中学校「米っ子クラブ」チーム。作品タイトル「ふち子の夢」。今回の8校中唯一の中学生チーム。提案の内容も現代の多くの人を苦しめている食物アレルギーや難病など現実的な問題に注目し、綿密な調査によりタンパク質の生成が問題となっていることをしっかりと突き止めている。更に驚きなのは、その解決方法は“宇宙でタンパク質を生成すればいい”という発想の豊かさ、大きさに審査委員一同すっかり魅了されてしまった。そして提案内容だけでなく、練習の積み重ねを感じさせる完成度の高い寸劇風のプレゼンテーションに会場にいた聴衆すべてがひきつけられた。

最後は埼玉県立鳩ヶ谷高等学校「はんなり小町」チーム。作品タイトルは「いやしの世界へおいでやす」。彼女たちのプレゼンテーションが始まってわずか数分で会場がいやしの心地よい雰囲気に変わったのは本当に不思議な体験だった。自分たちの足を使った調査によって、人々は「癒し」を求めているということに至った点は、机上の空論ではなく、提案の根っこをしっかりと支えることとなった。「ありそうでなかった和風水族館=“夢の浮き水”を大和ハウスが浅草に創る」という大きな夢を彼女たちが本気でかなえたいと思っている姿に審査委員一同心を打たれた。また、開発・建設費、業務提携先、予測入場者数から入場料を算出するなど、実現性がしっかりと検証されている点からもレベルの高さを感じた。

最後に行われたSTEP25では、悔しいという気持ちが表面に出ないよう必死に隠しながらも「どうして自分たちが選ばれなかったのか」と一番聞きたいことを審査委員に尋ねていた。全国大会で現時点の一つの結果が出た訳ではあるが、今日のように、これからの人生も今この瞬間を一生懸命に、そして仲間と共に自分らしくあって欲しいと思う。各校とも大和ハウスから与えられたミッションに正面から向き合い、時には妥協したくなったり、ごまかしたくなったり、仲間同士ぶつかり合ったりしながら深く正面から探求し続けた今日に至るまでの経験は、彼ら、彼女らにとって、今後の人生を強くまっすぐに生きるための力にきっとなるだろう。

「企業プレゼンテーション」部門 ファーストステージ審査委員
竹内 健二

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主催:クエストカップ実行委員会 / 教育と探求社

協賛:クレディセゾン / スカパーJSAT / ソフトバンクグループ / 大和ハウス工業 / テーブルマーク / 日本コカ・コーラ

協力:一橋大学イノベーション研究センター / 法政大学キャリアデザイン学部

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