審査レポート - ソフトバンクグループ

ソフトバンクグループからのミッション

子どもたちの魂に火をつけろ!
ICTの力で創り出す
“未来の学校”を提案せよ!

全国から選ばれた8チームの発表に期待が高まる中、 ソフトバンクグループのインターンらしく、 勢いがあり活気に溢れたプレゼンテーションが繰り広げられた。
ソフトバンクグループのミッションは、ICTを活用した未来の学校の実現。
その解決にはICT技術だけでなく、自分たちが今まさに受けている 学校教育を見つめなおし、探求することが必要である。
この課題に真摯に取り組むことで、全てのチームが なんのために学ぶのか、大切な気づきを得られたように思う。

見事、ソフトバンクグループ賞に輝いたのは、 千葉明徳高等学校の「I=bank」チーム。
明るくテンポの良い、自分たちの企画を伝えたいという気持ちに溢れた プレゼンテーションだった。 提案内容は、五感に伝わる独自の端末を開発して行う、未来の授業。
学びには生徒の「やる気」が重要であり、「やる気」を最大限に 引き出すことが必要と訴えた。
進路選択において、さまざまな職業体験を バーチャルリアリティを用いて行う端末を提案するなど、 今の学校現場で必要とされていることをICTで具体的な形にして見せた。
開発する端末については、模型やパンフレットまで制作するなど、 伝えるための表現力が抜群に高かった。
さらに、カリキュラムを考えるにあたり、 子どもたちの「やる気」をどのようにして引き出したらよいのか、 大学まで出向き、講師にインタビューしてくるなど、 しっかりと裏付けを取ったうえで発表が組み立てられていた。

全チームそれぞれに良い点があり、審査委員を悩ませたが、 「常に№1を目指すソフトバンクグループ」として 聞き手に自分たちの想いを最も魅力的に伝えた、 元気に溢れたプレゼンテーションが決め手となり、 「I=bank」チームがソフトバンクグループ賞に選ばれた。

埼玉県立浦和商業高等学校の「Bang-Bangバンク!!」チームは、 自分たちの考える、学校の好きな点と嫌いな点を洗い出し、 「授業を楽しく、楽に勉強を」とのコンセプトで、クイズ形式の授業を実施するプランを提案。
クイズに正解すれば、ソフトバンクグループのポイントが得られ、景品と交換できるなど、 ソフトバンクグループの既存事業とのシナジーを生み出す提案を行った。
実施時の初期投資額なども独自に算出し、その上で利益を出すことが可能と述べた 企業目線も踏まえたプレゼンテーションは評価されたが 「子供たちの魂に火をつける」方法について、景品との交換以上に、 本質的な提案ができれば、さらに高い評価を得られる内容になると期待できた。

三重県立伊賀白鳳高等学校の「CR7」チームは、
立体映像装置を活用した体験型の授業を提案。
海外に出る機会に恵まれず、他の文化に触れることの難しい高校生にとって、 立体映像装置を活用すれば、バーチャルな体験ができることを訴えた。
距離や費用というハードルによって、気づきや学びが得られないことを 大きな機会損失と捉え、ICTの力で解決しようという発想が素晴らしかった。
「魂に火がつく」とはどのような状態なのか、さらに探求し、 発表に盛り込むことで、より骨太の提案になるだろう。

長野県上田千曲高等学校の「Syoft Bank」チームは、チームワークを生かした ユーモア溢れるイキイキとしたプレゼンテーションで、参観者の心を掴んだ。
提案したのは、電子黒板と、新型の移動手段を活用した授業。
単にICT機器のみで授業を行うのでは無く、 ICTを活用することで、実地の体験授業をさらに豊かにするという提案。
メンバーの表現力が非常に高く、 本番の堂々としたプレゼンテーションの裏では、 相当な準備を行ってきたのだろうと感じられた。
新型の移動手段は斬新なアイディアであり、 どのようにそのアイディアを実現するのかを提案に盛り込めば、 より洗練された内容になるだろう。

川村高等学校の「GO☆GO白戸」チームは、 小学生にターゲットを絞り、小学生でも安心して使用できる、 軽くて壊れにくい薄型のタブレット端末を使った授業を提案した。
教科ごとの活用方法が詳細に考えられており、 「魂に火をつけろ」という課題に対し、自分たちが幸せと感じる点から その幸せを実現する授業を考えていた点が評価された。
薄型のタブレット端末を実現する素材についてもよく考えられており 総合的にレベルが高かった。
自分たちならではのオリジナリティをより探求し、 独創性を高めることで、さらに高いレベルの提案になると期待される。

京都市立西京高等学校の「MON」チームは、 現在の日本の学力が、諸外国と比べて相対的に低下していることに危機感を頂き、 ICTを活用することによる、効率的で効果的な学校システムを提案。
先生と生徒がどのようにシステムを活用するのか、フロー図を用いて説明したり、 システムのインターフェイスを図で見せるなど、 プレゼンテーション資料の作り方が非常に上手かった。
また、提案した高校を建設する候補地を自分たちの街の中で洗い出しているなど、 採用されれば今すぐにでも実現できそうな程に企画が練られていた。
今回のミッションでは、「未来の学校」が求められていたため、 もう一歩先の時代を展望した企画を提案できれば、 より大きなインパクトを与えることができるだろう。

明治大学付属明治高等学校の「モンブランっておいしいよね」チームが 提案してくれたのは、ICTを活用して生徒の学びを促進する管理システム。 学校内に存在する多様で煩雑なコミュニケーションをICTを活用して スムーズに管理することにより、学校を子ども
たちが伸び伸びと 学べる場にしようという意欲作である。
発表時にBGMを流し、テンポよく発表を行うことで、 聞き手に明るい印象を与えたことも、評価が高かった。
インターンとして、ソフトバンクグループが何故このプランを行うべきなのか、 意義やメリットを描き出すことができれば、より深い提案になるだろう。

クラーク記念国際高等学校 横浜青葉キャンパスの 「そうだ、祖父と銀行に行こう」チームは、従来の学校の概念を越えて 「既存の学校教育から遠ざかってしまっている人々」のための学校を提案した。
不登校生徒や引きこもりの数が一向に改善されていない現状を指摘し、 学校教育から逃げざるを得なかった人々には コミュニケーションを練習でき、心を開放できる場が必要と訴えた。
コンセプトは随一と言ってよいほどに探求されており、 このような学校が必要であることも十分伝わってきた。
「未来の学校」の提案というミッションを踏まえて、 既存のサービスを超えたICTの活用方法を企画に盛り込むことができれば 全国でも指折りのプランになるだろう。

日々学校に通う彼らであっても、 あらためて「学校」について深く考えることは、そうそう無いだろう。
彼らが「未来の学校」に思いを巡らせ、探求した時、 さまざまなことが見えてきたに違いない。
自分が今受けている教育の良い点、悪い点、そして、 自分たちが考える理想の教育とはどのようなものか―。

生徒たちの発表の中にもあったが、 「教育は国を支える重要な存在である」 まさにその通りだと思う。

クエストカップに出場した生徒たちも、 残念ながら出場できなかった生徒たちも、 これを終わりとするではなく、これを始まりとして、 これからも自らの探求を深めていってほしい。

「企業プレゼンテーション」部門 ファーストステージ審査委員
平野 純

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主催:クエストカップ実行委員会 / 教育と探求社

協賛:クレディセゾン / スカパーJSAT / ソフトバンクグループ / 大和ハウス工業 / テーブルマーク / 日本コカ・コーラ

協力:一橋大学イノベーション研究センター / 法政大学キャリアデザイン学部

問い合わせ:教育と探求社 E-mail: