クエストカップ2012 大会の様子
クレディセゾンからのミッション
 日本の未来をここからつくる
 世代を越えて生きたお金が回りだす あっと驚くポイントサービスを提案せよ!

当日の審査を振り返って

今年度、クレディセゾン賞を受賞したのは、実践女子学園高等学校「KAP family」チーム。
これからの未来を「どの国も、どの世代も、互いに仲間意識を持って関われるような未来!」
と定義し、未来を担う赤ちゃんのための「ベビちゃんカード」を提案。
具体的なカードの仕組みも細部にわたって考えられており、その内容も独創的。
まさに子育てを通して、世界中の人々が仲間意識を持てるものになっていた。
メンバー全員が自信にあふれ、心からプレゼンを楽しんでいる姿に会場全体が引きこまれた。
非常に完成度の高いプレゼンテーションだった。

続いて審査委員特別賞を受賞したのは、
名城大学附属高等学校「アスクール×ク・フィーユ」チーム。
消費者が少なくとも3ヶ月に一度は必ず買う衣服と食料品に注目し、
衣服を買った時に貯まるポイント『クロポ』、
食料品を買った時に貯まるポイント『フーポ』を提案。
スーパーやコンビニでカードを使う人が少ないことへの改善策になると主張。
また地産地消ポイントもつけることによって、地域の産業の活性化を狙う。
他のチームが「絆」や「世界」などをテーマにしている中、
生活に密着したシーンでの利用を考えた着眼点が高い評価を得た。
また、プレゼン手法もセリフ調の掛け合いで、具体例などとてもわかりやすいものだった。

惜しくも受賞を逃したが、プレゼンの迫力で審査委員を圧倒させたのは
川村高等学校「Riviere Village」チーム。
5人のメンバーが入れ替わり立ち替わり、
魅力たっぷりの表現力で次々とメッセージを会場に投げかけた。
不安ばかりの世の中を安心できる社会にしたい!という気持ちから
「お金を使えば使うほど将来が安心になるカード」を提案。
伝えたい情報が盛りだくさんのため、
敢えてもう少し的を絞った提案になっていれば説得力が増したと思われる。
しかしながら十分に受賞作品に並ぶ実力を感じさせた作品であった。

埼玉県立鳩ケ谷高等学校「井上商事」チームは、
緊張感溢れるファーストステージ会場でトップバッターながらも
落ち着いたプレゼンを見せてくれた。
ターゲット別に考えられた施策、「あったらいいな」を実現させる
提案型のポイントサービス、コミュニケーションの場としてのイベント開催など、
ミッションにじっくり取り組み、細部まで作り込まれた提案は、
すぐにでも実現できそうなほどの具体性を帯びた素晴らしいものに仕上がっていた。

東京都市大学付属高等学校「クリディセゾン」チームは、
女子の多い出場チームの中で、唯一の男子チーム。
男子チームらしい力強いプレゼンで、男性審査委員の2人からも好評を得た。
10分の制限時間をオーバーし、途中終了時間を知らせるベルが鳴っても全く動じず続行。
内容はポイントを預けられるポイント銀行を設立し、そのポイントに利子をつけたり、
為替のように貯めたポイントを様々なポイントに変換することで
消費者の将来に対する不安を軽減し、経済を活性化させたいというもの。
プレゼンの最後に、協力してくれた同級生や先生方への感謝の言葉が述べられ、
彼らの真摯な取り組みと誠意が伝わる素晴らしい作品だった。

共栄学園高等学校「SAISON.Com」チームは、
インフルエンザでチームの約半分の3名が欠席した中での発表だったが、
そのことを全く感じさせないプレゼンに仕上がっていた。
提案内容も、まず「現状ではポイントと交換したいものがない」という切り口から
消費者が本当に欲しいものは何かを探求。2011年の漢字に選ばれた「絆」をテーマに、
震災に備え、未来の自分たちへの寄付ができる「絆ポイント」を提案した。
カードが地震から自分たちを守る、カードの使い方で日本の未来が変わると力強く訴え、
1次審査を行った審査委員に、
「この1カ月のブラッシュアップ力には驚かされた。ブラッシュアップ賞をあげたい!」
と言わせるほど、クエストカップ本番に向けて急成長したチームであった。

立命館宇治高等学校「Make happy life」チームのメンバーはなんと2人。
しかしながら、提案内容は充実しており、
具体例を基に非常にわかりやすいプレゼンに仕上がっていた。
ポイント制度の内容もさることながら、
キャラクターやネーミングがサービスの内容とマッチしており、完成度は非常に高かった。
このような深い提案をたった2人で考え、まとめてきたことには審査委員全員が驚き、
その頑張りを称賛した。
審査の際、受賞作品を脅かす存在であったことは言うまでもない。

どの作品もミッションにじっくり取り組み、
自分たちなりの探求を繰り返したことを感じさせる作品に仕上がっており、
中高生ならではの発想力や社会人顔負けのプレゼン力に
圧倒されたファーストステージであった。