大会の様子 - 日本経済新聞社

日本経済新聞社からのミッション

”経済”をもっと身近に!
日本経済新聞を活用した教育プログラムを開発せよ!

【審査講評】

今年の日本経済新聞社の審査は困難を極めた。
全てのチームが大きな努力を重ねて大会に臨んでおり、それぞれに評価すべき点があった。
「全てのチームに賞をあげられたら・・・」との声も審査委員から漏れたが、
一作品を企業賞に選ばなければならない。
最終的には、いかに真摯にミッションと向き合い、自分たちの力で考え、
取り組み、探求を進めてきたかが審査の焦点となった。

見事、日本経済新聞社賞に輝いたのは、
クラーク記念国際高校 千葉キャンパスの「チームビクトリア」。
経済はお金の循環であると捉え、最も多くのお金を回すことを競いながら、
経済について学ぶスマートフォン用ゲームアプリ「ぐるぐるケイザー」を提案した。
ゲームは実際の経済と連動しており、様々な現実の要素が結果に影響を与える。
そのため、ゲームで高評価を得るためには、メディアを使って情報を集めなければならない。
そして、幅広い情報を集めるためには、一覧性の高い新聞が非常に有利であると、
その優位性を強調。
ミッションで求められているポイントをきちんと踏まえ、
教育コンテンツとして企画を完成させていた点が高く評価され、受賞に至った。

百合学院高校の「Journalisters」チームは、大学生が仮想の起業を通して
社会で活躍する力を学ぶためのプログラムを提案した。
多くのチームが「経済とは何か」を学ぶための教育プログラムを提案してくる中、
「Journalisters」チームは、プログラムを通して身につけることができる力に焦点を当てた。
チームで話し合いを重ね、社会で必要となる力を
Common sence、Communication、Creation、Commitmentの4Cと定義。
この4Cを学ぶ機会を日本経済新聞社を活用して、提供しようと考えた点に着眼の鋭さを感じた。

千葉明徳高校の「カクレクマノミ」チームは、
「経済は全ての人に関係しているにも関わらず、所得の低い人は経済知識に触れることが少ない」と
問題提起。
その解決方法として、日本経済新聞の信頼性の高い経済情報を幅広く提供するペン型の情報端末、
「日経夢らいふ」とそれを活用したサービスのビジネスモデルについて提案した。
「日経 夢らいふ」は誰にでも使いやすいようにソフトとハードの両面で設計されており、
また、料金も「生活の負担にならない金額」に抑えているなど、
全ての人が経済知識を得ることで輝いた生活を得てほしいとの、
生徒たちの優しい気持ちが伝わってくる発表だった。

明治大学付属明治高校の「チーム おひさま」は物々交換を通して経済を学ぶ、
「BARTERプロジェクト」を提案。
その内容は、経済の本質である物々交換を体験するというもの。
物々交換を体験することで、物の流れ、貨幣の利便性、交渉や
相手に物を届けるタイミングによって付加価値が向上する仕組みを、体感しながら学んでいく。
物々交換というシンプルなアイデアの中から、非常に本質的で骨太な学習効果を見出し、
それが最大化するようにプログラム内容を作り込んでいた点が、審査委員から高評価を得た。

東邦高校の「NIKKEI」チームは、経済活動を肌で感じる機会の少ない学生に
焦点を当てた発表。
日本経済新聞が10代にとって敷居の高い新聞であることを問題点としてあげ、
学生にとってわかりやすいB5サイズの月刊経済誌「Well Done」を提案した。
学生にわかりやすく経済を伝えるため、等身大の関心事である進路などのコンテンツを挙げて
説明していたのが、印象的であった。
また、自ら「Well Done」のCMを制作し、発表中に披露するなど、
パフォーマンスも抜群で、審査では表現力において最も高い評価を得た。

滝川第二中学校の「凛として咲く日経Worker」チームは、
学校で導入する教育プログラムを提案。
内容は、日本経済新聞を読み、オリジナルのテキストへ経済情報をまとめることで、
経済を学ぶというもの。
ビジネスモデルまで考えられていて、今にも実現できそうなほど具体性のあるものだった。
また、自分たちの考えた教育プログラムの中で使用する自作のテキストが
プレゼンの最後に審査委員に配られた。
しっかりと中身が作りこまれており、生徒たちの真摯な取り組みの姿勢が、
審査委員に感動を与えた。

千葉商科大学付属高校の「JEE~Japan Economic Education~」チームは、
事前審査時と内容が全く変わってしまうほどブラッシュアップされた提案を持ってきていた。
日本の再活性化のためには、起業が必要と考え、起業を目指す人、起業家のもとで働く人へ、
情報を提供するアプリを提案。
日本経済新聞を丹念に調べており、既存のコンテンツを活用するなど、
調査や探求の跡が見られた。
情報インフラを整えることで、日本の起業風土を盛り立て、
それぞれが高い意識を持つことこそが経済を身近に感じられるはずという内容は、
説得力のあるものだった。

どのチームも、経済について深く理解した上での提案であったことに驚かされた。
この一年を通して、何より生徒たち自身が、ミッションの
「経済をもっと身近に!」を体現してきたからこその提案であった。
このクエストカップで終わりでなく、これを始まりとして、
今後も探求を深めていってほしい。
そして、この一年で得た気づきを社会で活かして、活躍してくれることを願っています。

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